嗅覚を刺激する生々しさ『共喰い』
注目を集めましたね。結構あの会見の雰囲気、
みんなが覚えてるんじゃないかな。僕も田中さんといえばまず、
あのときの表情を思い出します。仕方ないよね、大体の人の第一印象だもん。
会見内容の話をすると本題に入る前に盛り上がっちゃうんで省略〜
僕の大好きな作品なので、その雰囲気に着目して紹介したいと思います。
「人の生」を書くうえで、書かざるを得ない「感覚」
この共食いは川辺の田舎町を舞台に、父と息子の争えない血筋関係を描いた
作品なのですが、読んでいて嫌が応にも読者が感じてしまうのが、
作品全体にこもっている独特な生臭さ。
川辺の田舎と聞けば、
水車の回る小川とか、
田園と山ひだの景色とか、
あるいは夜になれば満点の星空なんかも想像できそうなもんですけど、
残念ながら、この共喰いの舞台は、そんなに理想的な田舎の景色はしていません。。
その田舎町には、生きるためにどうしても出てきてしまう、
なんというか、排泄的な景色が漂っています。
川には様々なゴミが流れています。傘。バケツ。自転車。
近く家の便器は川につながっています。。
主人公はその川でうなぎを釣ろうとします。。。
汗にまみれた人々の営み、泥だらけの道に降る豪雨。
…うわぁ。。( ゚д゚)
人が生活するうえで、背けたり、隠したりしたくなるような、生々しい部分、けれど本当はそこも含めて人間であるはず。
本来なら影になってる部分が表となって作品全体を染めてます。
読んでると、その臭いと音が、ジュワジュワにじみ出てきます。
そして、そんな景色の中にこそ、美しい部分がどこかに隠されていたりする。
あらすじは書けませんが、結構ディープです。
物語に入るきっかけになったら幸いです。
ではでは〜