『マネログ』 ポジティブな書評

本が読みたくなるブログを目指して

やたらオシャレな赤レンガ倉庫の図書館!

こんにちは、まねです٩( ᐛ )و

 

 

 

北区立中央図書館に行ってきました!

 

この図書館、けっこう有名で、建物が赤レンガでできてます。

 

かわいいわ〜

 

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 元々は陸上自衛隊の十条駐屯地だったものを、

外装を生かして図書館に改装したそう。

 

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2009年にグッドデザイン賞受賞

 

2011年に日本図書館協会建築賞受賞(おふ、、まさかそんな賞があるとは、、)

 

 

嬉しい特徴を何個かあげていこうと思います。

残念ながら館内の写真は控えましたので無いですm(._.)m

 

 

 

 

大きくて綺麗な館内 

図書館に中では大きい方に属するのではと思います!

 

僕も都内の図書館は何箇所か巡った方ですが、

コンパクトな図書館が意外と多いんですよね。

 

そんな中でも満足の広さです。さすが中央図書館!

 

館内には小さな中庭があって、晴れた日にはそこで読書をすることもできます!

 

 

 

 

落ち着いた隣接カフェあり 

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入口を入ってすぐのところにおしゃれなカフェもあります。

 

図書館隣接のカフェだけあって、静かで落ち着いた雰囲気でした。

 

広いフロアをゆったり使ったテーブル配置が◎

 

人にぶつかっちゃいそうなほど窮屈なカフェってリラックスできませんからね。

 

 

 

 

席が多い!

これは図書館よく使う人はポイント高いんじゃないですか!?

 

どこの図書館でも、席って本当にすぐに埋まっちゃうんですよ。

 

時にこの時期は受験生が朝から晩までずっと勉強を頑張っているので。

 

そのため設備の整った図書館によっては時間制とか予約制があるほどなんです。

 

しかしこの北区中央図書館は本当に席が多いです。

 

しかも、席の場所が一箇所に固まっているのでなく、

いろんな箇所に分散されています。

 

本棚のあいだや、先ほど話した中庭や、フロアの隅のスペースにも席があります。

 

中にはガラス張りの四、五人用の、

ミーティングエリアのような席もあります。

(この中で爆笑しながらジャンプ読みたいわ笑)

 

席に困ることはほとんどないでしょう。

 

 

 

 

展示品も充実

ショーケースの中にアメリカ人の日本文学研究家、ドナルド・キーン氏の

生原稿がありました。

これも写真NGだったのですが、

その横にはあの安部公房のサイン本が!!ちょっと興奮!笑

 

ドナルド・キーン様 『The box man』

一九七五年 五月十九日

おそれ つつしみ

友 公房          (北区中央図書館『箱男』)

 

「おそれ つつしみ」て!!\(//∇//)\

 

すみません。取り乱しました。

 

 

 

まとめ

落ち着いた休日にはもってこいの場所だと思います。

図書館の外には広場のような大きな公園もあるので、お子さんがいても

楽しめますね♪

事前に休館日や時間を調べてから行くのをオススメします!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪( ´θ`)ノ

絵本『おぞましい二人』のおぞましさが想像以上だった

こんにちは!まねです٩( ᐛ )و

 

前回、朝を楽しくするためのアイディアという記事を書きましたが、

 

今朝、気合い入れて朝の日差しを浴びたところ、

 

ポジティブ効果テキメンでした!ヤッホイ!

 

 

maneblo.hatenadiary.com

 

 

まだまだ寒い朝は続きますからね!

 

頑張って乗り切りたいです。

 

 

 

さて、今日はおよそポジティブとは無縁の記事です。。

 

 

 

 

 

 

『おぞましい二人』エドワード・ゴーリー

 

僕は本屋でピックアップされていたのを偶然見つけたのですが、

 

 

平置きされた本から怪しいオーラでまくってました。

 

はらぺこあおむしの横に置いてはおけませんね。

 

  

あらすじ

 

1960年代にイギリスで起きた「ムーアズ事件」をもとに描かれた、実話。

 

序盤はハロルド・スネドリーとモナ・グリッチの

それぞれの悲惨な幼少期が語られる。

 

酒浸りの両親から生まれ、

小動物を殺し、

ポルノ本を万引きし、

いじめられ、疎外された記憶。

 

やがて二人は自己啓発的な集会で出会い、

似た者同士のお互いを慰め合う。

しかし子供には恵まれない。

 

やがて二人はある仕事を成し遂げるために準備をする。

 

   ●

 

仕事を終えて瑣末な食事をとる。

 

仕事は繰り返されたが、

二人は逮捕され、

それから二度と会うことはなかった。

 

二人は精神病棟の中で息をひきとる。

 

 

 

 

感想

 

この絵本には救いとなる部分が何一つありません。

 

犯罪者の悲惨な障害を、客観的に、あるがままに映し出しています。

 

犯罪者に救いの手を差し伸べるでもなく、

 

そうさせてしまった社会を風刺しているわけでもない。

 

ただただ、悲惨で痛々しんです。

 

これが小説ならば、こんな犯罪者が登場すれば、

どこかに救いや意味らしいメタファー(提示のない、シーンのふくみ、たとえ)が

生まれるだろうけど、

この絵本は、あくまで、「この人間の生涯の記録」というところで止めている。

 

 

読者は、

深く考えず、意味を考えず、

感じたままにおぞましい気持ちを味わえばいい。

 

 

大人の絵本と言っていいのか、、それすら怪しい。

そう僕は思いました。

 

 

作者のエドワード・ゴーリーは

どうしても書かずにいられなかった作品と言っています。

 

 

悲惨すぎて、不快になった自分は健全だってことがメタ救いです。

 

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「読書を楽しみたいけど、何を読めばいいの?」ていう人向けの3冊!

 

 

 

「いつもマネさん、本、読んでるけどさ、、ぶっちゃけ、本って何が楽しいの??」

 

 

 たまにこんなことを、知人、友人に聞かれます(笑)

 

 

 

僕は常に文庫本を持ち歩いて、あいた時間にはとにかく本を読むことにしています。

 

友人との待ち合わせの時や、電車の移動中、仕事の休み時間なんかはとにかく本です。

 

なので読書してるところを見られることも当然増えてきて、

そんな時、たまに言われます。

 

「読書って、いいことだとは思うけど、どの辺がそんなに面白いのか、教えてよ」って。

 

 

 

 

٩( ᐛ )و「マジでそれ、わかります」

 

 

僕も、正直、

「読書、楽しい!!!」ってなるまで時間かかったクチです。

 

 

なぜ時間がかかったのか、それは、

心から楽しい!っていう小説になかなか出会えなかったのが理由です。

 

 

僕が初めのうちは、ちょっと頑張って、教科書にあるようなものとか読んでたんですよね。。

たいして意味もわからんのに、詩集とか読んだりして笑

 

 

けれど、そんな読書をしていた時、

なんじゃこりゃー!!

という感動の読書体験をすることができました。

それを何度も味わいたくて、今の読書生活に行き着きました。

 

 

 

 

 

読書を楽しむには、まず、

「楽しい!!」という実感を、自分の肌で感じることが大事です!

 

 

 

 

なので今回は、

「読書を楽しみたい!でも何を読んでみたらいいのかわからない!」

という人向けに、「読みやすく、楽しめる本」を紹介したいと思います!

 

 

 

驚きたい人向け!『イニシエーションラブ』乾くるみ

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男女のほろ苦い青春小説ーー、

と思いきや、最後から二行目で、まったく違った物語へと変貌する、驚異の小説です!

 

このトリックは当初、実写化不可能と言われていましたが(結局、映画化したけど)

それはこのどんでん返しが小説でしかできない手法のものだったため。

「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー!

普段ミステリー小説を読まない方なら、なおさら楽しめると思います!

 

 

 

映画のようなスリルとスピード感『リアル鬼ごっこ』山田悠介

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この作品は中高生からダントツの支持を得た、ホラーアクション小説です。

全国の佐藤さんを捕まえるために日本中で鬼ごっこをするという、かなりぶっ飛んだ設定の作品。

好みが分かれる作品ですが、

もしあなたが読書慣れしていないのなら、こんなにスピード感のある読書もあるのかと

思えるはずです。

 

 

 

 

 

小説にしかない空気感を味わうなら『風の歌を聴け』村上春樹

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毎年ノーベル賞の話題で取り上げられる、あの村上春樹のデビュー作。

『僕』と『鼠』という二人の青年が過ごした、ひと夏の物語。

この作品には特別ストーリーのようなものはなく、

主人公たちがバーでビールを飲んだり、女の子と遊んだり、

いわば「日常」が、乾いた文体で、ただただ綴られてゆく。

ただそこには、小説にしか感じ得ない独特の空気感、

が確かにある。素晴らしい読書体験を保証します。

 

 

 

 

まとめ

読書が初めてでも楽しいと思えるものを選びました。

いかがでしたか?

読書が苦手な人、経験が少ない人がいきなり夏目漱石やらドストエフスキーやら

読んでも、きっと面白いとは思えません。

読書を心から楽しめるようになるには、まずは「楽しい!」という気持ちを

感じ、体と頭に覚えこませることです。

そのためには、背伸びをせずに、とっつきやすい小説から読み始めることです。

楽しい実体験を重ねていけば、

自然と読書が心から楽しいものに変わっているはずです。

 

まだまだ紹介したいのがあるので次回またやります!

 

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました٩( ᐛ )و

 

 

『ハツカネズミと人間』友情が生んだ悲劇、だけどあったかい。

こんにちは、まねです٩( ᐛ )و

 

今日はこちらです٩( ᐛ )و

 

 

 

『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック 大浦暁生 訳

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何度か映画化された作品なので、知っている方は多いのではと思います。

 

スタインベックはアメリカの小説家で、

その作品は、彼の生まれ育ったカリフォルニアの自然と歴史に深く結びついています。

1962年、ノーベル文学賞受賞、代表作に『怒りの葡萄』『赤い子馬』など

 

 

あらすじ

「小さな家と農場を持ち、

ウサギを飼って静かに暮らすー」

二人の労働者はそんなささやかな夢を求めて、

カリフォルニアの農場を転々としていた。

 

賢くて小柄のジョージと、優しい大男のレニー。

性格も体格も違う二人は、お互いに頼り合いながら、

夢を叶えるため、とある農場で日雇い労働を始める。

 

様々な人に出会いながら、二人は友情を試され、過酷な現実に向き合ってゆく。

 

 

 

豊かな自然描写。

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物語の始まりから、自然の風景が綿密に描かれている。

小川と草花と土木、そしてネズミなどの小動物。

これはやはりスタインベックの故郷がカリフォルニアだったことと関係している。

 

そしてその後に出てくる登場人物が、しっかりとした立体感を持っているのは

この風景の土台が事前にしっかり描かれているため。

 

つまり、めっちゃ想像しやすい小説♪( ´θ`)ノこれ大事。

 

ああ、こういう人なのね〜。

ここを歩いてるのね〜。

っていうのが、頭の中でボケない。モザイクみたいににならない。

登場人物と舞台の輪郭が、しっかりしてる印象ですね。

 

やはり作者自身が知った土地と文化っていうのが、

文章にも説得力を持たせるのでしょう。

 

 

小説に「作家志望と人」とか、「売れない小説家」とかいう人物が多いのは、

それが一番、作者がリアルに描けるという理由からでしょうね。

 

 

 

 

 

ぶれない友情が生んだ、悲劇と温かい読後感。

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主人公の一人、レミーは、ポケットの中でハツカネズミを撫でていたが、

レミーの力が強いためにネズミはすぐに死んでしまう。それにレミーはひどく怯える。

賢いジョージは鈍臭いレミーを罵るが、本当の友人はレミーしかいないというのも

わかっている。自分になつくレミージョージもまた救われていた。

自分の気持ちと力をうまく表現できないレミーは、

自分の強靭な腕力で様々なものを傷つけてしまう。

それが原因となり、ジョージとレミーは悲劇的な結末を迎えることとなる。

 

たくましい二人の、ぶれない友情が

楽園への夢を、悲惨で過酷な結末へと変えてしまう。

 

優しさとか思いやりが、自分の思い通りに運べない時の歯がゆさ、

もっと言えば不器用さみたいなものが色濃く出ている作品です。

 

物語の、最後の行の一文、

ある事実に

「どうしても感情が動いてしまう人」と、

「感じようともしない人」との

決して分かり合えない二極化された人間の属性を感じます。

 

しかしそこには、人の持つ確かな温かさがあります。

非常にリアリティのある温かさが。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました٩( ᐛ )و

『百年の孤独』がちょっと桁違いに面白い。が、重い。

 

ものすごいものを読んでしまった気がします。

 

これです。

 

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百年の孤独ガブリエル・ガルシア=マルケス 鼓 直 訳

 

コロンビアの小説家

1982年にノーベル文学賞を受賞

影響を受けた作家はウィリアムフォークナー、フランツカフカなど

 

結構分厚くて、

それに重い内容ですね。

堅苦しくならないように、

紹介していけたらと思います。

 

あらすじ

 

舞台は空想の村「マコンド」。

その土地の歴史と、そこに生きた、ある血筋の物語。

 

どんな土地にも、必ず村を作り始める草創の時代がある。

その土地がさかえて、大きくなって、村人は増えていく。

商業が確立して、化学が進歩して、文明が発展していく。

ごく少人数で始めた村は、たくさんの人で賑わう大きな村になった。

しかし、人が増えればいさかいが起こり、派閥も広がる。

逃れることのできない、自然災害もある。

次第に村は衰退し、ついには廃墟と化すー。

 

マコンドの村を開拓した、ブエンディア一族。

彼らに受け継がれる「底なしの孤独」は、

人間の持ち得る様々な葛藤抱えて、

村と運命と共にー。

 

できれば一気に読むべし!

 

この作品の特徴、そして楽しみどころは、

村の歴史と並行して、

ブエンディア家の人々の成長と老衰、誕生と消滅が繰り返される

ところなんだけど、

マジで誰が誰だかわからなくなります( ^ω^ )

 

なもんで、少し読みカケで放置したりなんかすると、大変です。

今どういう状況??ってなります。←僕。

「村に置いてかれた」って気分になります。

 

そして、

なぜそんなことが、この小説に限って起きるのかという理由ですが、

 

おんなじ名前の人ばっかです( ^ω^ )

 

それがまたこの小説の面白いところなんですけどね。

同じ名前なのに性格が違ったり、名前以外の意外な共通点があったり。

 

なので、

もしできるのであれば、日にちを開けずに少しずつ読むか、

時間を使って一気読みをお勧めします。

 

 

ちなみに、

「アウレリャノ」という人は、22人くらい出てきますwwww

 

 

現実と幻想の調和を楽しもう。

 

ガルシアマルケスノーベル文学賞の受賞理由はこういうもの↓

 

「現実的なものと幻想的なものを結び合わせて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する、豊かな想像の世界」を創り上げた。

 

 

 

 

 

……はぁ( ゚д゚)

 

ほんと、ごめんなさい。僕がバカなだけなんです。

 

ただこの文にもある通り、ガルシアマルケスの作品の特徴として、

 

現実的な話の途中に、ごく自然に、馴染むように、ふわっと、非現実的で幻想的な描写があります。

 

戦争の悲劇を生生しく描いたシーンがあれば、人がふわりと宙に浮くこともあります。それがあたかも、雨が降ることと同じような雰囲気で。

 

読んでて、これに出くわした時、あまりに自然に表現されてるので、

「フィクションっていいなぁ」ではなく、

「現実も考えようだなぁ」ってなります。

明日にでも探せばなんかしらの不自然が転がってんじゃねぇか?ってなります。

 

 

さらに僕が思うのは、

それは決してフィクションの中の描写だけではないということ。

 

村の繁栄と衰退を読んで、

もし、マコンドの村とブエンディア一族の存在した百年を、誰もが忘れたら、

もしくは意図的に隠蔽されたなら、、

「消えていった村が現実として確かに存在しますよ」

という事実に気づかせてくれるのです。

 

極端な話でいうなら、マコンドという村自体、

本当にあったのかもしれないよってこと。だって証明できないからね。

いや、これはかなりぶっ飛んだ解釈だけど(´∀`*)

 

つまりこの『百年の孤独』は、

フィクションノンフィクション(への気づき)の境界でもある。

そう思ったのです。

 

 

とても内容の濃い小説です。

男女関係の悦楽、苦悶など、

またどこかで掘り下げていきたいと思います。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

『孤独がきみを強くする』望んでなる人も、そうでない人も「孤独」に耐性を!

 

先日、29歳になりました。

 

わ〜

僕おめでと〜(´∀`*)

 

去年までは既婚者だったため、祝い事もそれなりにやってましたが、

今年はそんなこともなく、家でごろりんしてましたね。

 

やっぱりいくつになっても誕生日はなにかワクワクして楽しいな〜(ヘラヘラ)

 

おめでとーLINEが2通来てて嬉しかった!

 

 

 

1通は母でした。感謝。

 

 

さてさて、今日はこれです。

 

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『孤独がきみを強くする』

芸術家の岡本太郎さんが一人で生きていく人たちに送る、力強いメッセージ集。

 

 

 

誰かと繋がっていられる世の中だからこそ、「孤独」を。

 

家族、友達、恋人、親戚、仕事仲間。

たくさんの人に支えてもらいながら、僕たちは生活しています。

 

 

 今の世の中、

人間関係のあり方が希薄になってきていると言う意見を聞きます。

表面的な人付き合いばかりだと。

 

けれど僕は逆に、

こんな情報化社会だからこそ、人間関係と信用が大事になって来てるのではない

かと思うし、だからこそ、SNSやブログが成り立つはずです。

相手の素性がわかりにくい媒体だからこそ、信用できるものに価値が生まれる。

 

 

考え方は様々ですが、

誰もが誰かと繋がっている、素敵な時代だと

僕は思っています。

 

 

けれど、

だからこそ今の世の中は、

孤独に耐性を持たない人が多いのではないでしょうか。

 

 

思いもよらないことで、信用を失うことってあります。

故意でなかったとしても、誰かを傷つけてしまい、結果、友人や恋人を失うことだってあります。

最悪の場合、不慮の事故で、大事な人を失わないとは言い切れないのです。

 

そんな時、もし頼る人がいたならば幸いですが、

頼れる最愛の人を失った場合、話が変わってきます。

 

そんなことって、事実あります。

自分も予想だにしていないだけに、かなり凹みます。

その時、必ずしも立ち直るための力があるとも限りません。

 

 

ちょっと話が暗くなりすぎてしまいましたが、、

この本は、そんな、現代における孤独から

独りでも立ち上がれるようなメッセージがたくさんあります。

 

孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ。

孤独はただの寂しさじゃない。

人間が強烈に生きるバネだ。

孤独だからこそ、全人類と結びつき、

宇宙に向かってひらいていく。

芸術とか哲学とか思想なんて、

みんな孤独の生み出した果実だ。 

(本文14P)

 

 力強いですね!

 

望んで孤独を選ぶかどうかは、

その人次第ですが、

もし望んでいないのであれば、

そうなってしまった時のための担保としても

心強い一冊です。

 

「自分独りじゃ、立ち上がれない」となる前に。

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。(´∀`*)

 

『君たちはどう生きるか』損得ではない読書がしたい人へ。

 

君たちはどう生きるか』 原作:吉野源三郎 漫画:羽賀翔一

 

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現時点で累計120万部突破。

池上彰さんが心から感動し、人生を決めた一冊」(帯より)

八十年前の「君たちはどう生きるか 吉野源三郎著」の漫画版。

 

 去年の中頃から本屋に平置きされてたので、表紙を見たことある方は多いかと

思います。

最近ではコンビニでも。僕もセブンでごはんと一緒に買いますた。

 

 

読みやすい!とっつきやすい!

羽賀さんの絵が昭和初期の時代背景と、とてもマッチしています。

 

主人公のコペル君(コペルニクスから)が経験する挫折や葛藤、

発見の喜びを、元編集者のおじさんが見守りながら助言していくという流れ。

 

 

 

読む人によっては

コペル君の経験するエピソードは

手垢のついた内容に感じるかもしれない。

 

現代の人にとって

いじめ、貧乏、友達との疎遠関係なんかを題材にした作品(特に漫画)は

そんなに新鮮味は感じないと思う。

 

むしろ、

食傷気味ですらある。

今の時代、いじめ単発のようなネタは飽和状態だよね。

掛け合わせて新しさを出してる作品が主流だからね。

 

それでも、この作品に心を動かされる理由は、

ひとつの感情に対応する丁寧さじゃないかなと。

 

この作品は

ひとつの感情の変化にとことん向き合って、

「なんでそんなこと思ったのか」

「そう思うことは立派なことなのか」

「では立派とはなにか」

「自分はどうしたいのか」

「そうする資格が自分にあるのか」

「そうするために自分は何をするべきか」

「相手のために、何を考えるべきか」

 

と、丁寧に丁寧に、コペル君と読者に考えさせるように、助言してくれる。

この丁寧さは、コペル君(中学生)と同い年ほどの学生にもわかるようにという

配慮もあるだろうけど、これが大人になって読むとかなりグサグサ刺さる。

 

根がアホな僕は感心させられっぱなしだった。

 

 

 

 

レビューにはアナクロニズム(時代錯誤)だというような意見、

あとは多様性の時代には当てはまらないという意見も多々あって、

 

それは、確かにと思いました。

80年前の作品だもんね。労働の形態も変わらない方がおかしいよね。

 

僕が思うのは、

それでも80年前の作品を、

昭和の雰囲気を残したまま出した理由があるってことだなって。

「現代には当てはまらないのでは?」ってのは、誰でも気づく大前提ですものね。

それこそ編集者のお話だし。

権限のことはよくわからないけれど、

イラスト、時代背景、文体なんかを現代風にすることも

やろうとすればできそう。でもそれはしなかった。

 

この時代背景でなきゃ伝わらない、

子供達の感情の変化とか、

それに対して素直に向き合っていく姿勢なんかが、

読者の心を打つ。

それが『君たちはどう生きるか』のキモのように僕は思います。

 

 

 

心が動き、自分の中にこみ上げてくる感情を味わう、

「感覚としての読書」を求めるならば

オススメします!

 

所要読書時間45分!!※個人差あり