『マネログ』 ポジティブな書評

本が読みたくなるブログを目指して

『うつヌケ』弱い自分を受け入れる。

 

 

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「うつ」って言葉を聞いて、どんな風に感じますか?

 

 

 

 

「でたwwメンヘラ発言ww」

 

「正直、感染るからやめてほしい。距離置きたい」

 

「どう扱っていいかわからないから、困る」

 

「様は、甘えでしょ」

 

 

 

これは実際、僕が知人の口から聞いてきた言葉の数々。

 

共通しているのは、

どれも、「うつ」という言葉だけで

取扱注意みたいなタブー扱いをされたことでした。

 

うつ病の辛さの一つに、

「うつ病患者に関われば自分が巻き込まれるのでは」

「面倒なことはよそでやってほしい」

といった理由で、嫌煙されてしまうことがある。

もしくは、そう感じてしまうことがある。

 

 そしてそれは一部の人には、どうしても理解しがたい原因であるため、

本人の甘えや根気の無さと解釈されることも少なくありません。

 

それをきっかけに自分が悪いと感じ、悪循環となり、

症状が悪化することが往々にしてあります。

 

 

僕の両親がそうです。

そこはわかってくれよww

 

 

 

 

ちょっとだけ僕の話をします。

 

 

去年の今頃、前の嫁と離婚をしました。

 

付き合い始めた学生の時から数えると、

10年くらいの仲でした。

 

届は前の嫁が出してくれたので

何日に自分が離婚が受理されたのか、正確な日にちはわかりません。

 

数日後に役所から正式な封筒が届きましたが、あまり覚えていません。

どっかにいっちゃいました。

 

その時僕は転職してから一年目のことで、

「自分で選んだ道だから、頑張らなきゃいけない」

「転職をして後悔してるなんて、今更弱音は許されない」

と、自分一人で不安を作り、抱え込んじゃっていました。

 

弱い自分を認めたくなくて、嫁に素直になれなかったんですね。

長い付き合いだったのに。

恥ずかしい話ですww

 

 

書面では「和解」と申し合わせたけど、

決してポジティブな、晴れ晴れしい再スタートというような

そんな別れではなかったです。

少なくとも僕は。

 

 

離婚したことは

今でこそ心から感謝できる思い出ではありますが、

当時の僕は、

仕事にも家庭にも、未来を感じられず、(て言ったら大げさに聞こえるけど)

ただただ不安な日々でした。

 

 

 このまま時間が流れて、全部が終わっていくのかな〜

 

ていう感じの不安ですね。

 

 

 

そんな不安が慢性的になり、

「これはまずい、悪循環だ」と思い、

カウンセリングに通うようになりました。

 

そして、その頃に読んだのが、今日紹介する『うつヌケ』です。

 

 

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『うつヌケ』田中圭一 

 

さまざまな職業と境遇を持った人たちの

うつ病を患った原因から

その向き合い方を描いた漫画。

 

将来の不安を抱えたミュージシャン、

自己評価の低い雑誌編集者、

好きな仕事に自信をなくしたゲームクリエーター、

小学校の頃のトラウマを引きずった高校教師、

ブラック企業で働く会社員、

大切な人を、幸せにできなかったと悩むエッセイスト、、

 

さまざまな境遇からなるうつ症状に焦点を当てて、その改善策を教えてくれます。

 

 

 

読みやすいことが重要

以前紹介した『君たちはどう生きるか』もそうだけど、

心が疲れている時に、漫画はいいです。

なぜなら、とっつきやすいから。これは本当に重要。 

www.maneshimpei.com

 

 

本当に心が疲れている時って

「この小説、(もしくは啓発本)読みなよ。元気になれる内容が書かれてるから」

っていわれても、実際なかなか読めません。

 

普段から本を読む人なら問題ないだろうけど、

活字を読むことになれていない人だと、読むことすら億劫になってしまいます。

その点漫画は想像する労力をイラストが補ってくれるから読みやすく、

感情移入もしやすい。

本書は特にポジティブな表現と可愛いイラストが多いです。

真面目に意味を理解する必要もない。わからないところは飛ばしてもいい。

 

頑張って読まなくていいのが重要なことなんです。

 

 

自分に当てはまる部分を参考に

登場する人たちは本当にさまざまな境遇にいます。

 

結果として仕事が軌道に乗る人がいれば、

仕事を辞めて、何もない状況で一から歩んでいく人もいます。

 

しかし共通して、みんながみんな、自分の幸せの形を見つけるのです。

 

この漫画で教えてくれるのは「うつ病」云々のことだけではありません。

 

どう転んでも、失敗を繰り返しても、

幸せになる権利は誰にでもあるということ。

 

仕事を失っても、

大切な人を傷つけてしまっても、

その人なりの幸せの形を誰も否定できないこと。

それを教えてくれます。

 

 

「不安」も「葛藤」もなくすことはできない。

人間生きていく限り、老いも病気も死も避けられない。

だから

「不安」あるがままに捨て置いて、今自分がすべきことをすればいい。

その上で成功しても、失敗しても、その人生は間違いではない。

 (本文P48 森田療法)

 

 

僕は弱いところを隠し続けて気を病んでしまいましたが、

本当は弱いところも含めて自分なんですよね。

 

そこも含めて自分を好きになること。

そして、そんな弱いところを人と共有する勇気を持つこと。

そんな人が他にいたら「大丈夫だよ〜、僕も一緒だよ〜」と受け入れたい。

 

そんな風にして頑張ってる人を、応援したいです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました٩( ᐛ )و